テニスの試合をしていると、緊張してしまい思ったようなプレーができないということはよくあると思います。人にもよると思いますが、試合になると普段の実力の1割も発揮できていないという人も少なからずいるのではないでしょうか。
今回はそのような悩みを抱える方に向けてそのような場面での対処の仕方を紹介します。
緊張しないということは不可能
人は緊張するような場面に遭遇した際に緊張しないようにすることはほぼ不可能だと思ってください。試合においても重要なポイントになるほど緊張しやすくなりますが、どんなに場数を踏んでも緊張はするものです。プロの選手でも重要な場面では緊張しています。場合によってはとんでもないミスをすることもありますし、試合後のコメントなどでもきなプレッシャーがかかっていたと明かす選手も多いです。
プロ選手くらい経験を積んでも緊張するものなので、我々アマチュアが場数を分だとしても緊張しないというのはほぼ不可能だと考えるべきでしょう。
自分が緊張しているということを認める
緊張したときには、まず緊張していることを認めましょう。中には頑なに緊張していることを認めない人もいますが、これはあまりよくありません。緊張していることを認め、一度リラックスして考え直すことで次のステップに進めます。認めなければ、そのままプレーを続けミスを繰り返す負のスパイラルに陥る可能性が高いです。
特にテニスはメンタルのスポーツとも呼ばれるようにプレッシャーのかかりやすい競技です。プロでも緊張するのだから自分も緊張するのは当たり前であり、また恥ずかしいことでもないということをまずは理解しましょう。
緊張してもできるプレーを磨く
プロも緊張しているといいましたが、それでもプロの選手はあれだけのプレーができるのです。それは緊張した場面でもプレーができるように普段から練習を積み、また緊張しながらも自分のできるプレーをすることで勝ち続けてきた経験があるからです。
これは一般レベルでも同様のことが言えますので、「緊張した場面でもできる最低限のプレーを磨く」練習を心がけましょう。最低限のプレーとはMINを上げる練習ということです。これについては別の記事に記載しているのでそちらもご参照ください。
自分ができることのみでプレーすることで、不要なミスが最小限となりポイントにつながる確率も上がりますし、ポイントを失ったとしても「やるべきことをやった」と割り切れるのでその後もミスを引きずることが少なくなります。
ただ、これは普段の練習からしっかり意識していないとできないことでもあります。いざ、試合中に緊張した場合にその場で対応できることは次の項目で紹介します。
試合で緊張したときの応急処置
試合でどうしても緊張した場合、緊張を完全に解くことは難しいと思いますが、ある程度軽減することは可能です。いくつか方法があるので列挙します。
・全体的に動きをゆっくり大きくする
人は緊張することで気持ちに余裕がなくなると、焦ってしまって動きが小さく・早くなる傾向にあります。テニスにおいてこれはショットの安定性を欠き、球の伸びや威力も低下することに繋がるので致命的とも言えます。しかも多くの場合は自分の動きが小さくなったり早くなったりしていることに本人は気がついていないでしょう。傍から見ると全然違う動きになっており違和感だらけのレベルになっていても本人には自覚症状がないということがよくあるのです。
こういった動きを抑制するためには意識的に動きを大きくゆっくりする必要があります。特にサーブは相手に依存しないショットですので、縮こまって打点が低くなったりトスが低くなったり振り出しが早くなったりすることがないように普段よりも体を大きく使うような意識で打つことを心がけましょう。
・ポイント間の時間を長めに取る
余裕がなくなるとポイント間の時間がやたら早くなる人がいますが、これも悪循環にはまるパターンです。意図的に時間を長めに取り、一旦冷静になる時間を設けるように意識しましょう。冷静になると同時に上記のような動きが小さくなっていないか考え直して、次のプレーでは動きをゆっくり大きくすることを自分の中で再確認するための時間に使うと良いと思います。
ダブルスの場合はペアがこのような状態になってしまっていたら、まず声をかけて上げましょう。次にポイント間を長めに取るようにさり気なく誘導してあげましょう。ペアに冷静になってもらう時間を作り、動きを直してもらうこともパートナーとしても重要な役目だと思います。
・足を細く動かす
一方、フットワークに関しては逆に細かく動かすことを心掛けた方が良いでしょう。緊張すると足が止まりがちになります。これを解消するには無理やりにでも足を動かすしかありません。ポイント間に小刻みに足を動かし、ラリー中も一歩多くする意識を持ちましょう。テニスは「足ニス」とも呼ばれるくらいフットワークが重要です。最適な打点で打つということがショットの威力・安定性に大きく影響します。緊張すると、足が止まることで打点がばらばらになりがちですが、常に一番良い打点で打てるように緊張したときほど足を動かすことを意識しましょう。
・声を出す
最後に、声を出すことも緊張を緩和する有効な方法です。緊張すると萎縮して体が縮こまる他に気持ちも内向きになってしまいます。意図的に声を出すことで、そんな気持ちを前向きに切り替えることができます。また、声を出すと集中力も増すので余計なミスが減るというメリットもあります。中には恥ずかしくて出せないという方もいるかも知れませんが、その場合は誰にも聞こえないように相手に背中を向けた状態や、壁やフェンスに向かってしゃべるのでも良いと思います。(ただし、相手を威圧するような音量・言動はマナー違反ですので控えたほうが良いでしょう。)
まとめ
いかがでしたでしょうか。テニスの試合は緊張するものなので、それとどう付き合っていくかが大切になります。
いくつか対処法を紹介しましたが、メンタルの話なので個人差が大きいと思います。どれが自分に効果的かは実践で色々試してみて見極めるのがよいと思います。
一度、これをすればうまくいくという成功体験を得られると次からもそれに頼ることができるので緊張しても安心できるようになります。その経験がさらに緊張を緩和する効果にも繋がりますので、良いスパイラルを作ることができるでしょう。
まずは実践あるのみです。試合中に困ったらぜひ試してみてください。