この記事を読むことでわかること
- 世界ランキングの決定方法
- 各大会での獲得ポイントと重要度
最近では錦織選手や大坂選手の活躍により、プロのテニスへの関心が高まっていると思います。今回は、そんなプロテニスにおける世界ランキングがどのようにして決まるのかを解説します。
ランキングの仕組みがわかると、大会の結果で次の世界ランキングがどうなるのかを想定できる様になるため、よりテニス観戦が楽しくなると思いますよ。
世界ランキングの決め方
世界ランキングはポイント制で決定されます。各大会に出場し勝ち上がることでポイントが与えられ、それらを合計したポイントで争われています。
ポイントは過去1年間(52週間)の大会結果で得られたポイントから計算されます。毎週月曜日に最新のランキングに更新されますが、更新の際に53週前の大会で得られたポイントがすべて失効し、新たに前週の大会で得られたポイントが加算されて各選手のポイントが決定されるという形です。
また、ポイントが反映される大会数は男子が18大会まで、女子が16大会までとされています(ツアーファイナルズのみ例外)。ポイントが低い19,17大会目以降は加算されません。よって、1年間に出場する大会数は多くの選手が16~21大会くらいであることが多いと思います。
ポイント
- 世界ランキングはポイント制で決定される
- 52週間で獲得したポイントの合計値でランキングが決定
- ポイントに加算される大会数は上限が決められている
- ツアーファイナルのみ特別扱い
大会グレードとポイント
世界ランキングは男女で管轄している組織が異なります。男子はATP(男子プロテニス協会)、女子はWTA(女子テニス協会)がそれぞれ管轄しており、グレードの名称やポイントに関しても男女で微妙に異なる点があります。
男子の大会グレードは以下のようになっています。(ツアー公式戦以上)
大会グレード | 年間大会数 | 優勝ポイント |
四大大会(グランドスラム) | 4大会 | 2000 |
ATPツアーマスターズ1000 | 9大会 | 1000 |
ATPツアー500 | 11大会 | 500 |
ATPツアー250 | 約40大会 | 250 |
四大大会が最も獲得ポイントも大きく設定されています。ちなみに優勝の2000ポイントはそれだけでだいたい世界ランキング20位以内くらいに入れるくらいの大きさになっています。
一方、女子の大会グレードは以下のようになっています。(ツアー公式戦以上)
大会グレード | 年間大会数 | 優勝ポイント |
四大大会(グランドスラム) | 4大会 | 2000 |
WTAプレミア・マンダトリー | 4大会 | 1000 |
WTAプレミア5 | 5大会 | 900 |
WTAプレミア | 12大会 | 470 |
WTAインターナショナル | 31大会 | 280 |
基本的には男子と同じですが、微妙に異なることがわかると思います。
各大会の詳細は別記事に挙げているので、そちらをご確認ください。
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各大会グレードの結果で付与されるポイントは以下の通りに設定されています。
男子
大会グレード | 4大大会 | ATPマスターズ1000 | ATP500 | ATP250 |
ドロー数 | 128 | 56(96) | 32(28) | 32(28) |
優勝 | 2000 | 1000 | 500 | 250 |
準優勝 | 1200 | 600 | 300 | 150 |
ベスト4 | 720 | 360 | 180 | 90 |
ベスト8 | 360 | 180 | 90 | 45 |
ベスト16 | 180 | 90 | 45 | 25 |
ベスト32 | 90 | 45 | 10 | 10 |
ベスト64 | 45 | 10(25) | ||
ベスト128 | 10 | (10) |
女子
大会グレード | 4大大会 | プレミアマンダトリー | プレミア5 | プレミア | インターナショナル |
ドロー数 | 128 | 96(56) | 96(56) | 32(28) | 32(28) |
優勝 | |||||
準優勝 | |||||
ベスト4 | |||||
ベスト8 | |||||
ベスト16 | |||||
ベスト32 | |||||
ベスト64 | |||||
ベスト128 |
上位選手の出場義務
前年のランキングで男子は30位以内、女子は10位以内に入った選手にはコミットメントプレーヤーに認定されるため、いくつかの大会に出場することが義務付けられます。
まず、男子の30位以内は以下の出場義務が課せられます。
男子選手の出場義務大会
- 四大大会 4大会すべて
- ATPマスターズ1000 9大会のうち、モンテカルロを除く8大会すべて
- ATP500 11大会のうち4大会 (モンテカルロを含んでもOK)
続いて、女子の10位以内は以下の出場義務が課せられます。
女子選手の出場義務大会
- 四大大会 4大会すべて
- WTAプレミア・マンダトリー 4大会すべて
- WTAプレミア5 5大会のうち4大会
(ただし、いくつかの条件を満たすことで、出場義務から免除される場合もあります。)
コミットメントプレーヤーはこれらの大会に必ず出場しなければなりません。仮にケガ等で欠場したとしても大会での獲得ポイントが0として加算され、男子は年間の18大会、女子は年間の16大会の中に含まれます。上位選手はなかなか休息を取るのが難しいルールとなっているのです。
ポイント
男女ともにTOP選手は大きい大会に出場しなければならない
ツアーファイナルズとは
ツアーファイナルズは年間の最後に行われる上位8名のみが出場できる大会です。この大会は少し特殊な大会となっています。
まず、この大会はポイントの加算が年間18大会(16大会)までというルールに含まれず、19大会目(17大会目)として加算されます。出場できるのはその年のポイント獲得ランキング上位8位(微妙に異なりますが)までの選手となっており、この上位8名のみに与えられるボーナスステージといった位置づけになっています。
ポイント
ツアーファイナルのポイントはそのまま加算されるため、ランキングで有利に立てる
大会は、予選ラウンドでは4名ずつのリーグ戦による総当りとなっており、2つのリーグのそれぞれ上位2名が決勝ラウンドでトーナメント方式で優勝を決めるというルールになっています。年間の大会でも唯一リーグ方式を取っている特殊な大会です。
リーグ戦でも1勝するごとにポイントが獲得でき、準決勝・決勝を勝つことでもさらにポイントが加算されます。男女で獲得できるポイントが微妙に異なっていますが、リーグ戦で3戦全勝してかつ優勝した場合には合計で1500ポイントが加算されることになります。ポイントがかなり大きく設定されていることがわかると思います。
詳しくはそれぞれ別記事で紹介していますので、そちらをご確認ください。
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まとめ
世界ランキングに関するポイントに関して紹介しました。今行われている大会がどのグレードの大会なのかを理解することで大会の重要度がわかると思います。また、応援する選手の前年度の結果から今年どこまで行けばだいたいどのくらいまでランキングを挙げられるのかなども予想できるようになるので、テニスの見方がまた一つ増えると思いますよ。
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