2019年の錦織圭は右肘の影響で全米オープン以降の大会をすべて欠場し、今シーズンを一足先に終えています。ファンとしてはとても残念ですが、万全な状態で来年戻ってきてくれることを期待しましょう。
というわけで、少し早いですが彼の今シーズンを振り返ってみましょう。
(Photo by Chris Hyde/Getty Images)
2019年結果一覧
2019年の戦績は以下のとおりです。
出場大会数 | 15 大会 |
勝敗 | 29 勝 14 敗 |
獲得ポイント | 2,180 ポイント |
獲得賞金 | $2,114,457(=約2億3千万円) |
獲得タイトル | 1(ブリスベン国際) |
ケガの影響で全米以降の大会をすべて欠場したため、今シーズンは15大会のみの出場となりました。世界ランキングも1年ぶりにTOP10 から陥落しています。
一方で、今年は2016年以来となるツアータイトルを獲得しました。決勝では今シーズン絶好調のメドベージェフを破って、ブリスベン国際初優勝です。
次に、出場した大会とその結果の一覧を示します。
開催期間 | 大会名 | 大会グレード | サーフェス | 結果 | 獲得ポイント |
12.31 - 1.6 | ブリスベン国際 | ATP250 | ハード | 優勝 | 250 |
1.14 - 1.27 | 全豪 | グランドスラム | ハード | ベスト8 | 360 |
2.11 - 2.17 | ABNアムロ世界テニス | ATP500 | ハード | ベスト4 | 180 |
2.25 - 3.2 | ドバイ | ATP500 | ハード | ベスト16 | 45 |
3.7 - 3.17 | BNPパリバ | ATPマスターズ1000 | ハード | ベスト32 | 45 |
3.18 - 3.31 | マイアミ | ATPマスターズ1000 | ハード | 初戦敗退 | 10 |
4.15 - 4.21 | モンテカルロ・マスターズ | ATPマスターズ1000 | クレー | 初戦敗退 | 10 |
4.22 - 4.28 | バルセロナ | ATP500 | クレー | ベスト4 | 180 |
5.6 - 5.12 | ムチュア・マドリード | ATPマスターズ1000 | クレー | ベスト16 | 90 |
5.13 - 5.19 | BNLイタリア国際 | ATPマスターズ1000 | クレー | ベスト8 | 180 |
5.27 - 6.9 | 全仏 | グランドスラム | クレー | ベスト8 | 360 |
7.1 - 7.14 | ウィンブルドン | グランドスラム | 芝 | ベスト8 | 360 |
8.5 - 8.11 | ロジャーズ・カップ | ATPマスターズ1000 | ハード | 初戦敗退 | 10 |
8.12 - 8.18 | W&S | ATPマスターズ1000 | ハード | 初戦敗退 | 10 |
8.26 - 9.8 | 全米 | グランドスラム | ハード | ベスト32 | 90 |
振り返ってみると、グランドスラムでは全米を除きシードを守ってベスト8まで勝ち上がったことが大きいですね。逆にマスターズでは9大会中、初戦敗退が4大会、欠場が2大会という結果で、マスターズで結果を残せなかったことが悔やまれることかと思います。
1年間の大まかな流れ
2019年の錦織圭の活躍を少し細かく振り返ってみましょう。
ブリスベン国際で久々のツアータイトル獲得
年初に行われるブリスベン国際に今年も出場すると、休養明けからなのか調子の良さをアピールします。
宿敵ディミドロフを一蹴りに、決勝ではメドベージェフを倒して優勝。2016年のメンフィス以来、約3年ぶりのタイトル獲得となりました。
全豪で辛くもベスト8進出
全豪オープンでは熱戦が続き、1,2,4回戦でフルセットマッチへ。今年からファイナルセットも6-6で10ポイントタイブレーク制が導入されましたが、2,4回戦でともにタイブレークに突入します。いずれも熱戦を制して勝ちきり、ベスト8まで進出しますが、準々決勝のジョコビッチ戦では疲労困憊で全く歯が立たず、無念の途中棄権となりました。
春先に初戦敗退が続く
3月のから始まるマスターズシーズンでは、思ったような結果が出せずBNPパリバ・マイアミ・モンテカルロで合計1勝しかできませんでした。1か月以上勝ち星から遠ざかる苦しい時期だったと思います。
以前のようにラリー戦で相手を圧倒できなくなってしまったため、脅威がなくなってしまったような感じでしたね。
得意のバルセロナ・オープンで復調
不調の続く錦織でしたが、過去2回優勝経験のあるバルセロナで久々の勝利を挙げ、ベスト4まで進出します。
続くクレーコートでのマスターズ2大会も何試合か勝ち上がるものの、ランキング的には格下の選手に負け目立った戦績は残せませんでした。
ラリー戦ではクレーコートということもあり、少しずつ長いラリーで主導権を握れるようになりましたが、なかなかそれだけでは上位には食い込めないといった感じでしょうか。
全仏でもなんとかベスト8進出
第7シードでの出場でしたが、地元フランス勢との連戦になる厳しいドローとなった全仏。またもや3回戦・4回戦共にフルセットまでもつれ込む厳しい戦いが続きます。4回戦のペール戦ではファイナルセットで瀕死の状態まで追い込まれますが、そこからブレークバックしてベスト8まで進出します。
しかし準々決勝のナダル戦では、疲労困憊でまたもや試合にならず完敗を喫します。
ぶっつけ本番でウィンブルドンへ
全仏の激闘後、芝のシーズンでは前哨戦をスキップし1か月弱の休養を取ります。ぶっつけ本番のウィンブルドンでしたが、ドローに恵まれたこともあり、序盤戦をあまり消耗することなく勝ち上がり2年連続のベスト8進出を果たします。
万全の状態で臨んだフェデラー戦では第1セットを先取するものの、徐々に調子を上げる芝の王者に挽回を許し、逆転負け。
しかし、全豪・全仏での完敗と比較すると圧倒的に競ったことが大きな収穫だったと思います。序盤戦を体力温存で戦うことの重要性がファンでもよくわかる大会でした。
ハードコートシーズンで失速
ウィンブルドン後、1か月の休養期間を開けてハードシーズンが始まりましたが、ここにきてまたもや調子を落とします。マスターズ2大会はいずれも初戦敗退。ラリー戦でのミスが目立つようになり、主導権を握れない試合が続きます。西岡戦でも粘りのテニスに屈し、ミスを連発します。
全米では鬼門の奇数年でしたが、何とか1・2回戦を勝ち上がります。しかし、3回戦のデ・ミノー戦では若手の拾いまくるテニスに苦戦しまたもやミスを連発。主導権を握れず敗退します。4大大会連続ベスト8以上の記録は5大会でとぎれることとなりました。
その後は、楽天ジャパンオープンやマスターズなどすべての大会をキャンセルし、今シーズンを終えます。10月には右ひじの手術を行いました。
2020年に向けて
画像引用:https://ticket.rakuten.co.jp/features/rakutenopen/index.html/
まずは、手術した右ひじの状態が気になるところですが、万全の状態で戻ってきてくれることを願いましょう。
来年はTOP10外からのスタートとなるので、まずはTOP10まで戻ってきてくれることを願いましょう。年初に結構守るポイントがあるのでそこを乗り越えて、春先のマスターズでの活躍に期待したいところです。
12月に30歳を迎える錦織は来シーズンから30台として戦うことになります。今後はスタミナ配分やツアーの回り方も考えながらシーズンを戦っていく必要が増すと思いますので、そのあたりでどのような対応をしてくるのかにも注目ではないでしょうか。
ちなみに錦織は今回のデビスカップを欠場した関係で、東京オリンピックへの出場資格を正規では獲得できないことが確定しています。前回の銅メダリストで地元選手であることを考えると特例で出場が認められる可能性が高いとは思いますが、そのあたりの動向も気になるところです。
錦織圭を応援しよう
2020年は東京オリンピックも控え、よりテニスが盛り上がる1年になるでしょう。BIG4(BIG3)の時代がいつまで続くのか、錦織が来年どこまで活躍できるのか、今後のテニス界に注目です。
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