いよいよ男子の2019年シーズンも最後の1大会を残すのみとなりました。
大会直前に世界ランキングの入れ替わりがあり、ナダルが約1年ぶりにランキング1位に復帰しています。今年の年間王者の座をかけて最後の大会まで目が離せません。
また、今年はこの大会初出場の顔ぶれにも注目です。BIG4の牙城を崩す若手が現れるのかにも期待しましょう。
画像引用:ATPファイナルズ公式サイト
ATPツアーファイナルズの概要
ATPツアーファイナルズはシーズンの最後に開催されるATPのツアー大会です。
特徴は、まず出場できるのがその年のランキング上位8名(8組)のみということ。よって、TOP8による超ハイレベルな試合しか行われない特別な大会となっています。
また、この大会は世界ランキングのポイントが年間18大会以下という枠組みにとらわれず、19大会目として加算されるため、いわばTOP選手のボーナスステージのような扱いになっています。
その他、大会の詳細に関しては別記事で詳しく紹介していますので、そちらをご確認ください。
出場選手と予選グループリーグ
出場選手と予選リーグの組み合わせは次のようになっています。なお、グループの名称は過去の歴代名プレーヤーの名前が採用されています。今年はクエルテンとヒューイットの2名ですね。
<グループ クエルテン> | ナダル | メドベージェフ | チチパス | ズべレフ |
ラファエル・ナダル (1) | ||||
ダニエル・メドベージェフ (4) | ||||
ステファノス・チチパス (6) | ||||
アレクサンダーズべレフ (7) |
<グループ ヒューイット> | ジョコビッチ | フェデラー | ティーム | ベレッティーニ |
ノバク・ジョコビッチ (2) | ||||
ロジャー・フェデラー (3) | ||||
ドミニク・ティーム (5) | ||||
マッテオ・ベレッティーニ (8) |
なお、補欠選手として9位のバウティスタ・アグートと10位のモンフィスも会場入りしているとのことです。
日本のエース錦織圭は全米後の大会をすべて欠場しており、今大会にも出場していません。最終戦ランキングは13位でした。
グループ クエルテン
グループクエルテンには全米を優勝し世界ランキング1位となったナダルに対して、メドベージェフ・チチパス・ズべレフと若手の有望株3名が挑戦するというような構図でしょうか。
また、グループリーグからは2名が決勝トーナメントに進出しますので、若手3名の中から誰が勝ち上がってくるのかにも注目でしょう。チチパスとメドベージェフは今大会初出場となりますので、その大会の独特な雰囲気になじめるかにも注目です。
グループ ヒューイット
一方、グループヒューイットにはBIG4のジョコビッチとフェデラーが入り、予選からこの二人の対戦が行われることになります。
そのほか全仏準優勝のティームと、後半戦で大躍進し滑り込みで最後の1枠を勝ち取ったベレッティーニが振り分けられており、ジョコビッチ・フェデラーに対してどのようなプレーを見せるのか注目です。
優勝予想と注目ポイント
優勝予想
今大会はここ最近若手の活躍が目立っており、2017年はディミドロフ、2018年はズべレフがBIG4を倒して優勝するなど一概にBIG4優勢とは言えない状況です。
そういう観点から考えると、今大会最も注目すべきはシーズン後半戦から大活躍中のメドベージェフではないでしょうか。8月のハードコートシーズンからの好調さは継続中で、パリ・マスターズは初戦で敗退したものの、マスターズ今期2勝とBIG4を破る可能性のある最有力候補ではないでしょうか。
一方、ナダルとジョコビッチは今大会の結果で年間ランキング1位が決定する重要な大会となっているため、どちらも例年以上に優勝を狙ってくるでしょう。実はナダルは今大会の優勝経験がなく、その意味でもタイトルが欲しいところ。ジョコビッチも2015年以降優勝から遠ざかっており、久々のタイトル獲得に燃えているでしょう。
注目ポイント
今大会ではナダルとジョコビッチの1位争いに注目です。大会前の世界ランキングを確認しておきましょう。
世界ランキング | 選手名 | ポイント |
1 | ナダル | 9585 |
2 | ジョコビッチ | 8945 |
3 | フェデラー | 6190 |
4 | メドベージェフ | 5705 |
5 | ティーム | 5025 |
6 | チチパス | 4000 |
7 | ズべレフ | 2945 |
8 | ベレッティーニ | 2670 |
なお、昨年のツアーファイナルズのポイントはすでに失効しているため、上記のポイントに今大会の結果によるポイントがそのまま加算されます。
ナダルとジョコビッチの差は640ポイントですのでこの差は結構大きく、ジョコビッチが1位に返り咲くための条件は、
①ジョコビッチが全勝優勝した場合(+1500ポイント)
- ナダルが予選リーグで1敗以上し、かつ決勝敗退以下 (+800ポイント 以下)
- ナダルが予選リーグで全勝するものの、準決勝敗退 (+600ポイント)
- ナダルが予選リーグ敗退 (+400ポイント 以下)
②ジョコビッチが予選で1敗して優勝した場合(+1300ポイント)
- ナダルが予選リーグで2敗以上し、かつ決勝敗退以下 (+600ポイント 以下)
- ナダルが予選リーグで全勝するものの、準決勝敗退 (+600ポイント)
- ナダルが予選リーグ敗退 (+400ポイント 以下)
③ジョコビッチが予選で2敗して優勝した場合(+1100ポイント)
- ナダルが予選リーグで1敗以上し、かつ準決勝敗退以下 (+400ポイント 以下)
④ジョコビッチが全勝で予選リーグを突破し、準優勝した場合(+1000ポイント)
- ナダルが予選リーグで2敗以上してリーグ敗退か準決勝敗退 (+200ポイント以下)
⑤ジョコビッチが予選で1敗して準優勝した場合(+800ポイント)
- ナダルが予選リーグで全敗 (+0ポイント)
このパターンしかありません。要は、ジョコビッチは準優勝以上が必須であり、かつナダルが全勝で決勝まで勝ち上がってしまうと決勝で勝っても逆転できないことから自力で奪還することはできないという状況です。
(予選リーグでわざと1敗し、準決勝でナダルと直接対決して勝利し優勝することができれば理論上自力優勝可能ですが、まあそんなことは絶対にしないでしょう。ナダルが1位通過するかもわかりませんし。)
つまり、年間ランキング1位争いは圧倒的にナダル有利ということですね。ちなみにナダルが年間1位になると史上最年長(33歳)での年間1位となるそうです。
大会スケジュールと放送予定
大会の大まかなスケジュールは以下の通りです。
日時 | 試合 |
11月10日(日) | 予選リーグ第1試合 ヒューイットグループ2試合 |
11月11日(月) | 予選リーグ第1試合 クエルテングループ2試合 |
11月12日(火) | 予選リーグ第2試合 ヒューイットグループ2試合 |
11月13日(水) | 予選リーグ第2試合 クエルテングループ2試合 |
11月14日(木) | 予選リーグ第3試合 ヒューイットグループ2試合 |
11月15日(金) | 予選リーグ第3試合 クエルテングループ2試合 |
11月16日(土) | 準決勝 2試合 |
11月17日(日) | 決勝 |
大会は、NHKBS1で放送される予定です。また、WOWOWもメンバーズオンデマンドにて放送予定ですので、加入されている方はアプリから観戦しましょう。
まとめ
2019年も最後の1大会となりました。今シーズンはBIG3の牙城が再び築きあげられるものの、若手も徐々にその距離を詰めつつあります。果たして誰が優勝するのか楽しみですね。